吃音症と遺伝の情報ですが、こちらでは子供に関してです。
親御さんは気になるところだと思いますので、チェックしてください。
まず吃音は遺伝するのか?という質問に対しては、遺伝することはあるというのが現在の定説です。
その根拠として、ある研究者が
双子が生まれた時に、「一卵性双生児」と、「二卵性双生児」どちらのほうが二人とも吃音になる可能性が高いのか?
ということについて、調べました。
その結果、「一卵性双生児」の方が2人とも吃音になった数の方が多かったのです。
ちなみに一卵性の場合、同じ受精卵から双子が生まれるので、遺伝子の99%が一致します。
二卵性の場合、双子の遺伝子の一致率は50%程度です。
この研究から、遺伝子の影響はある、というのが判明しました。
ただ、遺伝が原因で吃音になる人は、非常に少ないと言われています。
遺伝というのは、家族に「吃音の遺伝子」を持っている人がいて、その遺伝子が自分に受け継がれている時に起きます。
現在研究により、吃音の遺伝子は 「GNPTAB」 「GNPTG」 「NAGPA」 の3つあることが判明しています。
この3つの遺伝子をもっていないと、そもそも遺伝することができないんですね。
そして、これらの遺伝子を持っている吃音者は、10人に1人しかいないそうです。
つまり、ほとんどの人が遺伝ではなく、別の要因で吃音になっているという事です。
出典
吃音を改善して就職!どもりの原因や治療方法を徹底解説|吃音の人事
吃音症で悩んでいる人の中には、この症状が遺伝によるものなのではないか、と更なる悩みを抱える人も多いと思います。実は、一部の吃音については、吃音遺伝子があるとう説があり、実際にこの吃音遺伝子については少しずつ特定されてきているようです。
吃音遺伝子について、第1染色体に50個から60個の関連遺伝子があり、さらに第12染色体上にも関連遺伝子が発見されているという例もあります。実は、このような吃音遺伝子以外にも、吃音症状を起こすと言われている病気や障害などと関係がある、または原因である、と言われている遺伝子はかなりの数あるようです。
しかし、吃音遺伝子があるからといってかならずしも自分の子供や孫、またその子孫の代にまで遺伝するかというと、これを否定する考えの方が多いようです。
吃音遺伝子だけではなく、遺伝子自体が環境や心理的なものなどでも変化すると言われています。つまり、吃音遺伝子自体の存在は発見されたとしても、その遺伝子が遺伝するかどうか、遺伝してきているものなのかについては疑問とする意見もあります。
吃音自体も遺伝ではなく、生活環境によって起こることも言われています。例えば、家族に吃音症の人がいると、それを「模倣」した子どもが吃音になる場合もあります。
出典
◆まとめ
残念ながら、吃音は遺伝の影響はあるということです。
ただ、遺伝が吃音症を発症する原因となることは少ないようです。
吃音症は環境が原因となって発症することもあります。
そのため、遺伝ではなく家族の吃音に影響を受けてなることがあります。