吃音の治療薬の副作用についての情報です。
よく使われる薬は、本来はパニック障害やうつ病の治療に使われる抗うつ薬、抗不安薬が用いられます。
代表的な薬剤名とそれぞれの効果、副作用について説明します。
◆レキソタン
効果:脳のリラックス系の神経を活性化させ、不安や緊張を和らげる薬。
発言前の緊張が抑えられ、どもり(吃音)の症状の改善も期待できる。
副作用:眠気、脱力感、集中力の低下などがみられることがある。
また、頭痛を訴える方もいます。
◆パキシル
効果:気持ちを楽にして、気分を落ち着かせ、意欲を高める効果がある。
どもりの治療としては、日常生活の不安や恐怖を軽減する効果が期待できる。
新しい抗うつ薬として回復傾向の高い薬。
副作用:めまい、吐き気、イライラ感、食欲不振など。
離脱症状が起こりやすい薬のため、服用を止める際には必ず医師に相談すること。
◆ルボックス・デプローメール
効果:セロトニンという神経伝達物質の濃度を高め、神経の伝達をよくすることで、
憂うつな気分を和らげ、不安や緊張を取り除いて、意欲を高める効果がある。
うつ病や社会不安障害の治療に用いられる。
副作用;食欲不振、吐き気、頭痛など。
これまでの抗うつ剤に比べると副作用は少ないのが特徴。
◆パゴクロン
効果:吃音の症状を改善するために、最も期待されている抗不安薬。
治験段階では、吃音者が持つ不安感を軽減させ、流暢に話しやすくする効果がみられた。
しかし、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認は得られていない。
こういった薬でどもりを軽減できる場合もありますが、抗うつ薬や抗不安薬には、少なからず何かしらの副作用が伴います。
極度の緊張や不安など、精神的なことが原因でどもる場合には有効かもしれませんが、一時的な効果しか期待できないでしょう。
出典
吃音きつおん治療で使われるような薬は副作用もありますので注意が必要です。
◆ドーパミン阻害薬
ドーパミン阻害薬は副作用として強烈に眠くなったり、身体がだるくなったりしやすく、仮に効果的だったとしても実用的でなかったからだと言われています。
その他、便秘やめまい、吐き気、不眠、性機能障害、体重増加といった副作用が挙げられます。なかには幻覚、意識障害などもあるようですね。
◆SSRI
こちらも即効性はなく、先ほどのドーパミン阻害薬と同様、強い眠気に襲われるという副作用があります。
◆βブロッカー
副作用は低血圧、末端の冷え性、不眠、だるさ、強い吐き気といったものが挙げられ、これまた日常的に使うことは難しいでしょう。
◆ベンゾジアゼピン
長期的に飲んでしまうと薬物依存症や、身体的、精神的に重大な健康を害するおそれがあるため推奨されていません。
◆オランザピン
比較的多い副作用としては体重増加、食欲増進があります。単純に食べすぎてしまうようです。また、眠くなりやすいことからこちらも日常的に飲むことはできないでしょう。
その他、便秘、めまい、ふらつきといった副作用もあります。また、血糖値が急上昇しますので、糖尿病の人には禁忌となっています。子供や高齢者にも注意が必要です。
出典
◆まとめ
個別の薬の副作用は上記を参考にしてください。
副作用には、眠気や脱力感、めまい、便秘、吐き気、頭痛などいろいろなものがあります。
なかには、幻覚、意識障害といった恐ろしい副作用もあるようです。
吃音は薬物治療では完治しないため、このような副作用を考えると薬物治療は控えた方がいいのかもしれません。